西尾幹二のインターネット日録

管理人による出版記念会報告(二十一)

guestbunner2.gif長谷川真美

 中締めのお言葉をもうひと方、田中英道先生お願い申し上げます。
支倉常長―武士、ローマを行進す 支倉常長―武士、ローマを行進す
田中 英道 (2007/05)
ミネルヴァ書房

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田中英道氏のご挨拶

 今、北斎とセザンヌを引用してくださって大変光栄に思っております。広い範囲で、いいものをいいという、率直な批評家の姿をいつも拝見してですね、先生は日本のある意味でのするどい部分を持っておられると、私はこういう風に思っているわけです。

 一つだけ言わせていただくと、先ほど、仏像なんか、これは見せているだけですなんておっしゃっていましたが、私に言わせれば、これは日本人が文字を使わない民族であると、長い間そうだったわけですが、それに比べて形を作ってきた民族だったということなんですね。

 ですから、縄文から弥生を含めてですね、古墳から、私はこれから天平時代のダイナミズムを書こうと思っているわけなんですけれど(拍手)、もうその辺からすでにすごい日本の文化がある。それは形があるからなんですね。西尾先生はそれをちゃんと、察知しておられておりまして、『国民の歴史』で、ずらりと素晴らしい彫刻の顔をお見せになったわけです。

 そして、仙台までわざわざいらしていただいて、写真を一緒に見た記憶もありますし、奈良や京都を一緒に歩いた記憶があります。最近では、私がちょっと倒れたときに、さっとお見舞いに来てくださって、その優しさが、怖い感じを持っている西尾先生ですが、日本人の非常に優しい面をお持ちである。それが日本人の思想のある種の根拠だろうと私は思っています。

 それから最後にですね、私は季刊芸術で、江藤淳と一緒にやったことがあるのです。江藤淳は自殺したんですが、文芸評論というもののきつさというものはですね、文芸評論では食っていけないという、その中で孤軍奮闘されているわけです。今回の本がある種の学者的なといいますか、広い視野がもう一回深くなったという感じで、これなら江藤さんみたいに自殺しなくてもいいなと思って、ほっとしているところです。

 どうもありがとうございました。

 田中先生ありがとうございました。

 これをもちまして西尾幹二さん『江戸のダイナミズム』出版記念会を滞りなく終了します。御協力有り難うございました。

 お帰りの際に書籍をお持ち帰りいただきます。なお、大変恐縮でございますが、ご夫婦でお見えの方は一冊で御願いもうしあげます。また既にお持ちの皆さまは同じ本ですのでご遠慮いただけるとありがたく、御願い申し上げます。

 また会場に飾られた生花をご希望の方には、これから小さな花束をおつくりしますので、しばらくお待ち下さい。記念に生花をお持ち帰り下さい。

 本日はご参集、まことに有り難う御座いました。

 (歓送の音楽)

  今回、「江戸のダイナミズム」出版記念会のほんのひとときの出来事を、文字に起こし、画像を添付し、そこに居なかった人にもわかりやすいように掲載してきたつもりだ。

 事実としては、4月4日、場所は市谷グランドヒルホテルの三階瑠璃の間、6時半から約2時間半の出版記念会である。それが21回という回数のエントリーになり、一ヶ月半も要してしまった。一つの出来事を再現することはこんなにも大変なことなのかと、しみじみと思っている。

 歴史の事実もそれを体験した人の位置から語れば、人間の数だけ異なった角度からの情景が描かれるのだろう。今回のことと照らし合わせて、一人一人の視点とは、それが確かに第一級の資料価値はあるけれど、実は狭く、局所的なものでもあることを痛感した。

 こうして全体像を掲載してみると、私があの場で見、聞いたことが、私自身にとっては100パーセントであっても、実は全体のほんの数パーセントの内容でしかないことがよくわかる。大勢の名だたる先生方のご挨拶も、聞き取れなかった言葉がほとんどで、内容をちっとも理解していなかったこともわかった。

 また、西尾先生の画像説明のときは、所用で席を外していたから、申し訳ないが私は全然聞いていなかった。テープを起こしながら、画像をじっくりと見ながら味わうことが出来たので、あの辺りの作業はとても楽しかった。

 こういった出版記念会は、ほとんどのマスコミは報じないらしい。例外的に今回の会のことが月刊誌THEMISの5月号に載っていた。月も過ぎたので、全文紹介させていただく。

『江戸のダイナミズム』西尾幹二氏の大著は?

 西尾幹二氏の新著『江戸のダイナミズム』出版記念会が4月4日、東京・市ヶ谷にあるグランドヒル市ヶ谷で行なわれた。

 参加者は400人ほどで、会場は満員。井尻千男氏、工藤美代子氏、田久保忠衛氏、宮崎正弘氏ら各界の言論人らが集まった。

 西尾氏は挨拶に立って「私はいままで出版記念パーティーなどやるべき立場ではないと考えて固辞してきた。しかし、ある人に『先生、受けてください。先生は明日お亡くなりになっても不思議ではない年齢です』といわれ、考えを変えました。」とユーモラスに語った。

 『江戸のダイナミズム』は古代と近代の架け橋としての江戸の重大性を書いた異色の日本文明論。地球上で歴史認識が誕生したのは地中海とシナと日本の三つだけだと断じ、ニーチェと本居宣長を比較分析する手法は西尾氏ならでは。

 西尾氏は「思想史には関心はない。偉大な思想家のみ関心がある」といって次回はもっとスケールの大きな作品を手懸けるつもりだ。

 今回で出版記念会の報告は終わりとする。次回から先生の許可を得たので、会場の入り口で全員に配られた小冊子の中身を紹介するエントリーを上げさせていただく。

 (文・長谷川)

おわり


Posted by Nishio at 2007年05月21日 16:41 | コメント (1) | トラックバック (0) | Clip!!

この記事に対するコメント

 産まれて五十年以上見聞して生きてきたはずなのに、百歳以上はせめて生き続けないと、「吾、無知の儘、死す事に為る」
処だった。西暦2007年(平成19年)7月17日午後7時27分ごろ:泰西文化:と謂う語彙に出合わなかったら、一寸じゃなくて、かなり損をした気持ちで「死出の旅路に着く」に
ところだった・・・あぁ、危ない、危ない。
 フェルメール・オランダ絵画突出時代・太陽の光線が何処に当てられているか?・日々の日常の中にこそ宇宙にも「繋がっている何物か」が、観ようとし続ける人には自然と観えてきてしまう。「観えない方が、普通に幸せかもしれないのに。」

Posted by: 村井 康宏 at 2007年07月17日 19:58

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