西尾幹二のインターネット日録

『男子、一生の問題』の反響にこと寄せて(七)

 思想の読み方はどうあるべきか、書かれてある思想をできるだけ自分の血肉とし、実践内容とすべきか、それとも距離をもって読み、実践は程度問題とすべきか、というような二者択一のテーマを掲げて、幾人かの方々のご意見を紹介した。

 本当のところ私にも分らないのである。私自身が他の思想を読む立場になると、迷いのさ中に置かれる。前者は厳密には実現不可能だし、後者は距離のとり方がむつかしい。

 友人の粕谷君から「以下はきのう(7月10日付)の貴兄の日録を流した先の女性からのコメントです」と但し書きのついた某女の短文が送られてきた。どういう方か分らないし、彼から紹介も受けていない。旧知の人らしい。

 関連テーマなので考えるよすがになると思いあえて掲げさせていたゞく。

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きょうの「西尾日録から」は私にとって誠に重要な内容を含んでいました。実は私も西尾さんの「男子、・・・・」を読んだとき、西尾さんの凄さに重ねて驚く反面「もし西尾さんのような人ばかりになったら「世の中が息苦しくなるのではないか」と何となくそう考えいるところがありました。

しかし今日の「西尾日録から」を読んで、何となく考えていたそのことが間違っていると分かりました。西尾さんが書いておられるように、思想の読み方を知らなかったのです。これまでも私は『「思想」とはどのような事を指すのだろう』と漠然と考えてはいましたが、はっきり分からなくてずっと気になっている問題でした。

「人間に生き方を問う本は 同一の実践を求めているのではなく、ある決意を求めている」と西尾さんは書かれています。それを感じ取るのが思想の読み方だということが解りました。

これもまた「目か鱗・・・」で私の大きい収穫でした。こんな事があるので粕谷さんから送って頂く様々なメールは私の活性剤です。

「西尾日録」に関わる反響から広がる今日のような問題で多くの読者の目が開かれることと思います。

今日はいい日でした。有難うございました。



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 さて、もとよりこのように理解していたゞいて有難いのだが、私の本の中のどんな言葉も心に響かなくっていい、と言っているわけではない。

 読んでいて心にときおり抵抗が生じ、危険な内容を孕んでいる本だなァとほんの少しでもドキッと感じていたゞけたら、むしろその方が有難いのである。

Posted by Nishio at 2004年07月16日 09:15 | コメント (1) | トラックバック (0) | Clip!!

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西尾先生の本の中で、いくつか私の心にも響いた言葉があります。特に思い出深い一つは、次のものです。残念ながらどの本に何のテーマで書いてあったものか今分かりませんが、ノートには取ってあります。

『現在が未来のためでなく、現在自身のために在るように、過去もまた、何ものでもないそれ自身のために在ったのだ。
その時代にはその時代の幸福感があり、幸福感はいつの時代も、感覚自体には良いも悪いもないのである』

なぜ思い出深いかというと、この言葉に出会った時、私はかなり落ちこんだ状態でした。ずっと昔のことを思い出して
「ああ、なんで自分はあんなだったんだろう」とか
「なんであんな風にしかできなかったのだろう」という考えに堂々巡りをしていたのですが、この言葉でとても大切なことに気づきました。
あの頃にはあの頃の感覚というものがあって、それはもはや実感レベルで戻れるものではないということ、
今、過去の自分を批判しているのは現在の自分であって、現在の自分の正当化が上手く行かないから、過去が否定的な方にズルズル行ってしまっているということ、
過去というのは必ずしも固定されたものではなく、現在の自分の見方によっていか様にも変われるということ、
などでした。
この後、全然落ちこまなくなったわけでは勿論ありませんが、少なくとも助けになってくれていることは真実です。
悩んでいる時、ひょんなことで手にした本の中から思いもよらない言葉に出会って、それがまさに求めていた何かにつながっていたり、啓示的に響いたりすることがあった経験は、私も何度かあります。

Posted by 御前♂±♀ at 2004年07月18日 12:12
ジーンとくる言葉ですね。

歴史を裁く愚かしさとか、
現在のものさしで、過去を裁くなとか、
人間は過去において失敗や過ちを犯すつもりで生きていたわけではない、とか(これは、新・地球日本史から)

言葉に力があります。


Posted by 年上の長谷川 at 2004年07月19日 00:04

Posted by: 管理人(旧ブログより移動) at 2004年11月29日 22:02

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